2016年2月 白壁賢一コラム

「なにもしなければダメ」大村先生の辛口の一言を胸に

 明日は何が起こるか分からない昨今の目まぐるしい社会状況の中、昨年を振り返ってみると、私にとって大きな出来事として、大村智さんのノーベル生理学・医学賞の受賞を一番に挙げたいと思います。
 その理由は、郷土山梨出身者初のノーベル賞受賞ということより、従来の受賞者とちょっぴり違った特異なキャラクターに感激したからです。その中味は並々ならぬ郷土愛と研究内容のわかりやすさではないでしょうか。山梨の農家に生まれた大村先生は、地元の小、中、高校、更には山梨大学という一地方大学で学びました。受賞の記者会見では「自分の今日があるのは、故郷と、そこで育った多くの思い出があるから」と語り、「勉強なんかあまりせず伸び伸びとやっていました」と笑顔で話されていました。
 最高レベルの研究に取り組んでいる先生の中には、地方の大学を卒業した後、大都市の一流大学に進み、何かの賞を受けた際の学歴を東大とか、京大、名大など超一流大学やその研究室を最終学歴として使いたがるとも聞いたことがあります。山梨大の後、理科大や北里大で研究に取り組んだ大村先生は、その正反対で、はっきりと「山梨で育ち学んだ事」「それと母から『何でもいいから、ひと(他人)のために働け』といわれ続けた事」と言っていました。受賞決定後の記者会見や講演会でも、もっぱら故郷のPRに触れているのにも感激しています。
  但し、辛口の言葉もありました。帰郷した際の記者会見で「山梨をよくするためには~」との質問に「山梨の自然環境は素晴らしい。でも何もしないでいたら良くなりませんよ」との発言も忘れられません。私は「何もしないでいたらダメ」という、聞き流しやすいその一言を噛みしめながら議員活動にあたりたいと思っています。